肩こりは多くの方が経験する身近な不調ですが、
「マッサージを受けてもすぐ戻る」
「昔からずっと肩が重い」
「最近は首や頭痛まで出てきた」
といったように、慢性化して悩まれている方も少なくありません。
肩こりは単なる筋肉の疲労と思われがちですが、実際には姿勢の崩れや筋力不足、体の使い方のクセなど、さまざまな要因が複雑に関係しています。
原因を正しく見極めず、その場しのぎのケアを続けていると、症状が改善しにくくなるケースも多いのです。
ここでは、肩こりが起こる原因や放置するリスク、改善のために重要な考え方について詳しく解説していきます。
肩こりとは?よくある症状と特徴
肩こりとは、首から肩、背中にかけての筋肉が緊張し、
- 重だるさ
- 張り感
- 痛み
- 動かしにくさ
などを感じる状態を指します。
症状が軽い場合は「疲れているだけ」と感じることもありますが、慢性化すると日常生活にさまざまな影響を及ぼします。
肩こりが起こる主な原因
肩こりの原因は一つではありません。
複数の要因が重なることで、症状が長引いたり悪化したりします。
姿勢の崩れによる負担
長時間のデスクワークやスマートフォン操作により、
- 頭が前に出る
- 背中が丸くなる
- 肩が内側に入る
といった姿勢が続くと、首や肩の筋肉に常に負担がかかります。
頭の重さは約5〜6kgあるため、姿勢が崩れるだけで肩こりは起こりやすくなります。
筋力不足と筋肉のアンバランス
肩や首の筋肉だけでなく、体幹や背中の筋力が低下すると、正しい姿勢を支えられなくなります。
その結果、特定の筋肉だけが過剰に働き、こりや痛みが慢性化してしまいます。
血流の低下と筋肉の硬さ
同じ姿勢を続けることで筋肉が硬くなり、血流が悪くなると、疲労物質がたまりやすくなります。
これが肩の重さや痛みとして感じられるようになります。
肩こりを放置しているとどうなる?
肩こりを軽く考えて放置していると、次のような症状につながることがあります。
首こり・頭痛・目の疲れ
肩こりが悪化すると、首の筋肉にも負担がかかり、緊張型頭痛や目の疲れを引き起こすことがあります。
腕のだるさやしびれ
筋肉の緊張が続くことで神経や血管が圧迫され、腕や手に違和感が出ることもあります。
慢性化して改善しにくくなる
長期間同じ状態が続くと、筋肉や姿勢のクセが固定され、改善までに時間がかかるようになります。
肩こり改善のために重要なポイント
肩こりを根本から改善するためには、
「とりあえずほぐす」だけでは不十分です。
原因を見極めるための姿勢・動作分析
肩こりの原因は人によって異なります。
姿勢や動作、筋力のバランスを正確に評価することが、改善への第一歩です。
当院の肩こりに対する検査と施術の特徴
肩こりを改善するためには、「今つらい部分」だけを見るのではなく、
なぜそこに負担がかかっているのかを明確にすることが重要です。
当院では、次の点を重視して検査・施術を行っています。
姿勢分析と筋力バランスのチェック
まずは立ち姿勢や座り姿勢、動作を確認し、
首・肩・背中・体幹のバランスを細かく分析します。
・どの筋肉が過剰に使われているのか
・どの筋肉がうまく使えていないのか
・姿勢のクセによってどこに負担が集中しているのか
こうした点を明確にすることで、
肩こりの「本当の原因」を見つけていきます。
筋膜リリースによる負担の軽減
肩こりが慢性化している方の多くは、
筋肉だけでなく、その周囲の筋膜も硬くなっています。
筋膜の硬さは、
・血流の低下
・神経への圧迫
・動かしにくさ
につながり、肩こりを長引かせる要因となります。
当院では、筋膜リリースを用いて
硬くなった筋肉・筋膜をやさしく調整し、
首や肩への負担を軽減していきます。
運動療法による再発予防
一時的に肩こりが楽になっても、
筋力不足や姿勢の問題を放置すると再発しやすくなります。
そのため、当院では状態に合わせて
・姿勢を支える筋肉を使う運動
・日常生活での体の使い方
・自宅でできる簡単なセルフケア
なども指導し、
肩こりが繰り返しにくい体づくりをサポートします。
通院頻度と改善までの目安
肩こりの状態や生活習慣によって個人差はありますが、
当院では以下を目安に施術計画を立てています。
通院頻度の目安
・週1〜2回の施術
・無理のないペースで継続
症状が強い時期は間隔を詰め、
改善に合わせて調整していきます。
改善までの回数の目安
多くの方が
6回〜10回程度を目安に、
肩の重さや痛みの軽減を実感されています。
「その場しのぎ」ではなく、
段階的な改善を目指すことが大切です。
このような肩こりのお悩みはご相談ください
・マッサージを受けてもすぐ戻る
・長年、肩こりが当たり前になっている
・首こりや頭痛も出てきた
・デスクワークで肩が限界
・姿勢が悪い自覚がある
このようなお悩みがある方は、
一度、体の状態を正確に確認することをおすすめします。
まとめ
肩こりは、単なる疲労ではなく、
姿勢の崩れや筋力不足、体の使い方のクセが大きく関係しています。
原因を正しく見極め、
適切な施術と運動療法を行うことで、
慢性的な肩こりでも改善が目指せるケースは少なくありません。
「仕方がない」「年齢のせい」とあきらめる前に、
ぜひ一度ご相談ください。
参考文献
・日本整形外科学会:肩こりに関する解説
・厚生労働省:運動器の健康に関する資料